#06「 ユーザーインタビューからお客様の本音を炙り出す」
2022.04.01
ブログ大谷が斬る

みなさんこんにちは、WILD THINKの大谷です。

前回は思い込みではなく調査分析による
正確なユーザー像の洗い出しが大切
というお話でした。

今回はユーザーインタビューから
お客様の本音を炙り出した事例について
以前お話ししたケースをもとに
少し詳しくお話ししていきます。

 

とあるリフォーム会社さんで
お風呂をリフォームしたお客様への
ユーザーインタビューにて

まず

「今回なぜお風呂をリフォームしよう
 と思われたのですか?」

と問いかけます。

大抵の場合すぐに本心を語っていただける
ということはほとんどありません。

と言うよりユーザーさん自身

“自分の本心に気づいていない”

と言う言い方が正しいのですが…

例えば
お風呂をリフォームしたいと考えている
60代後半の女性に

「なぜお風呂を新しくしたいのですか?」

と聞いてみます。

返ってくる答えは

「冬場のお風呂が寒いから」

そう言われれば聞き手としては
すぐに納得できる答えのように聞こえます。

しかし本当に冬場の寒さをしのぐためだけに
リフォームをしたいのでしょうか。

長年なぜ?なぜ?と深掘りをし
ユーザーの声を分析している私たちからすると
どこか当たり障りのない答えに
聞こえてきてしまう…

もうこれは職業病(笑)

なので私たちがこの様な
エンドユーザーさんにお話を聞く時
リフォームのお話とはあまり関係なさそうな
お話から時間をかけて親密度を高めていきます。

そして

「なぜ長年寒くても我慢していたお風呂が
我慢できなくなったのですか?」

と少しずつ深く掘り下げて聞いていきます。

すると「娘がねぇ、給湯器を変えるなら
この際お風呂も古いからキレイにしたら?って言うのよ」

とこれまで登場していなかった
ご家族の話が浮上します。

「ではご主人様はお風呂までリフォームするのは寝耳に水でしたね」

と言うと

「実は夫が大病をして脚が弱ってしまった。だから夫が一人でも安全に入れるお風呂にしてあげたい」

というまさかの展開。

はじめは寒いからリフォームしたいと言うお話だったのが、実は本当は大切なパートナーを思いやる気持ちからお風呂のリフォームをしたいというニーズが
わいてきたことに気づかされたのです。

皆さんにはこの違いが分かりますか?

“お風呂が寒くて嫌だからリフォームしたい”
それがユーザーが求めていることだ
と思っている場合

リフォームの広告を打つ際のコピーは

“冬場の寒いお風呂をあったかいお風呂に
変えてみませんか?”

と言うキャッチコピーになってくるのです。

しかしユーザーさんの本音は違います。

大切なパートナーが大病をして
高さのあるお風呂のヘリや
すべる洗い場が危なくなってきた
だからヘリも低く安全に設計されている浴槽と
滑りにくい加工がされている洗い場に変えたい
これがお客様が求める価値なのであれば
キャッチコピーは

“ユニバーサルリフォームで
安全で快適なお風呂にしませんか”

と言うようなコピーになってくるのです。

ご家族のご病気

そんな事は今日初めて会ったインタビュアーには
あまり知られたくない事でもあります。

でも今まさに自分と同じ境遇で
リフォームをしたいと考えているけれども
勇気が出ずに躊躇している方々に
お客様の声を通じて一歩踏み出す勇気を
あげたいんですという私たちの気持ちを
少しずつお伝えすることで
インタビューを受ける側のお客様は

自分がリフォームで幸せになれたこの体験を
お話しする事でその人たちにも
幸せのおすそ分けができるかもしれない
そんな気持ちで本音をお話ししてくださる
気がしています。

 

私たちデザインコンサルタントは
数字などのデータからは測れない
ユーザーの本当の気持ち
これを“声なき声”と呼び
インタビューと言う手法などを用いて
ユーザーから真に何を求められている
かを見つけることができるのです。

 

次回は同じくユーザーインタビューから
自社の魅力を見つける方法をお話ししていきます。

 

 

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